歯医者という職業について、漠然とではありますが、「そこそこの収入が得られる職業なんだろうな」という考えを持っていたのですが、必ずしもそうではないようです。
実は、20年ほど前、私自身が大学進学を考えるにあたり、歯学部というのも選択肢の一つにしていたので、今になってみると、歯学部を受験しなくて良かったかなと思っています。
Yahoo!ニュース - FACTA - 哀れ、街に溢れる「貧乏歯医者」という記事が出ていました。


何と5人に1人が年収300万円のワーキングプア。かつての「儲かる職業」の面影もない。

信じられないですよね。
年収300万円と言ったら、賞与抜きで考えて月収25万円です。
最近の統計では、サラリーマンの平均年収が、確か450万円超だったと思います。
これでは、若い世代であれば、歯医者を廃業して会社勤めをしようと思う人もいるかも知れません。

厚労省の2005年医療経済実態調査などによれば、歯科開業医(1医院の平均歯科医師数は1.4人)の儲けを表す収支差額の平均値は1カ月当たり 120万円程度。これを歯科医1人当たりの平均年収に直すと800万円になるが、高額所得者はほんのひと握りで、5人に1人は年収300万円に過ぎない。さらに100人中5人は申告所得がゼロ。ワーキングプアは決して誇張ではないのだ。

平均年収ならば800万円ということで、平均で考えればサラリーマンよりは良いということでしょうか。

こうした歯科医の過剰と貧窮をもたらした原因は何か。いうまでもなく、理念もないまま新設・増設された歯学部(歯科大)の定員増にほかならない。冒頭の「虫歯の洪水」が社会問題化した60年当時、歯科医の養成機関は「歯科の旧六」と称された旧制歯科医学専門学校6校(東京医科歯科大、日本歯科大、東京歯科大、日大など)に大阪大を加えて7校しかなかった。それで歯科医の「適正数」が保たれていたのである。厚生省(当時)は、65年までに広島、東北、新潟の各国立大学を含む6校に歯学部を設置、さらに80年代前半までに16校を新増設した。その結果、国立11校、公立1校、私立17校の計29大学に拡大され、定員は国公立約500人、私立約2500人の合計3千人に及んだ。
しかし、どう見ても多すぎた。経営悪化に伴うサービス競争は診療の質の低下や過剰診療、過剰請求に直結する。食うに困った歯医者にかかるほうはたまったものではない。
92 年に野村総合研究所が「歯科診療所経営の収支は2010年に現在の40%まで落ち込む恐れがある」と、歯科医師過剰による経営悪化を指摘しているが、実はその6年も前に、厚生省は歯学部入学定員の20%削減に着手している。が、同じ頃まで歯学部新設を認可しており、その無策、無定見には驚くべきものがある。そもそも計13の歯学部ができた65年時点で、歯科医の供給数が足りていたことは自明だった。

65年時点ですか... 私が生まれるずっと前のことだったのですね。
にも関わらず、私が受験生だった80年代後半に、「歯科医はやめたほうがよい」という情報はまったく出ていませんでしたし、「偏差値的に医学部が難しいなら歯学部」という雰囲気もあったと思います。

その厚生省が98年、諮問機関である「歯科医師の需給に関する検討会」に出させた報告書は、05年以降、供給が需要を上回り、25年には9千~1万 8千人の過剰が見込まれるとしている。つまり、増やしすぎたと分かっていながら、数年前まで年間2500人以上の国家試験合格者を濫造し続けていたのだ。その厚顔ぶりには呆れてものが言えない。
昨年暮れ、厚労省はようやく、「新規参入の歯科医師数を1200人程度とする必要がある」「歯科医師国家試験合格者数の約55%が過剰」との考えを示したが、時すでに遅し。その後に「参入」した歯科医の一部は早くもワーキングプアと化している。

既に開業して流行っている歯医者さんなら良いとして、そうではない場合、大変ですね。

そう言えば、私が以前住んでいたところの近所の歯医者さんは、土曜日の午前中でもガラガラで、いつも待たずに診てもらえました。
感じの良い、良心的な歯医者さんでしたが... もしかしたら、もう廃業しているかも知れません。

コンビニ以上と揶揄される過当競争だけではない。歯科医師1人当たりの患者数は20年前の半分に落ち込み、家計上も歯科医療費の優先順位は低下する傾向にある。自費診療の比率も1割程度に減っており、点数の低い保険診療をコツコツとこなすほかない。歯科医になるメリットはどこにも見当たらないのだ。
歯学部への進路を決める前に、このような状況を知らなかった若者たちは気の毒というほかない。その一方で、歯学生には金持ちの医者、歯医者の子弟の割合が高く、「医者が無理なら歯医者にでも」と大金を積む親も依然として少なくないようだ。一度作ってしまった大学はほとんど潰せない。それどころか、既得権化した入学定員を削るのも容易でない。
断言できるのは、無節操な歯学部新設認可と、歯科医師数の適正な将来見通しを誤り続けてきた行政の怠慢と失態が、今日の悲惨な状況を招いており、今後も深刻化し続けることである

歯科医が過剰なのは初めて知りましたが、今の日本で産婦人科医や小児科医が不足しているのは、ほとんどの国民が知っていることです。
もちろん、医学部と歯学部は、医者とは呼ばれていても全然違う職業なのは理解していますが、一体何故、このようなことが起きるのでしょうか。

まあ、メディアにも多少の責任はあるでしょうけど、結局のところ、厚労省の怠慢だと思います。
今のお役所って、本当にダメダメですよね。
それは、ほんの一時期を除いて、長い間政権を担って来た自民党による政府の怠慢と言ってもよいでしょう。
やはり、自民党政権は、もう終わりにすべきです。