TSUTAYAのDISCASでDVDをレンタルして見ました。
少し前までDISCASでのお薦め作品となっており、その頃に予約リストに入れておいたのが、今になってようやく借りられたものです。
タイトルは「おいしいコーヒーの真実」ということで、見る前は、焙煎の仕方やブレンドの仕方、コーヒーメーカーの仕掛けなど、我々消費者に近いところの話かな予想していたのですが、半分以上外れていました。
もし私が今サブタイトルをつけるとしたら「エチオピアの貧困の構図」としたと思います。
最近、日本国内でも格差社会という言葉が認知度を高くして来ていますが、エチオピアの世界と比した場合の現実と比べたら、日本のはぜんぜん生ぬるいですね。


エチオピアではコーヒーが1杯20円か30円、ニューヨークや日本であれば200円から300円が割と普通です。
エチオピアの工場で豆の選別を行う人の日給は一生懸命働いても1日500円程度、日本なら普通に働く気がある人であればアルバイトで日給5,000円の仕事にありつくのはそんなに困難なことではないでしょう。
単純に受け取る収入が一桁違うのに加え、仕事に就くまでにどれだけ一生懸命努力した結果なのかかどうかという過程まで考慮したら、2桁近く違うと言えます。
この違いは、本人の問題ではなく、単にどこの国に生まれたかという違いだけでしかありません。
なんて不平等な世界なのだろうと思ってしまいました。
もっとも、自分は先進国側に住む人間で、割と恵まれた企業に長年勤務している身ですし、上から目線で物を言っていると言われると辛いものがありますが。

同じ「コーヒー」という飲み物を消費者に提供する過程で、第一次産業として働く人の収入は極めて低く、現状では6度の買い付けステップが入っており、より後のステップ(バリスタとか)に行くほどマージンの割合も高くなっています。
しかも、コーヒーやバナナの生産地(発展途上国)では農業従事者は国から補助金などは一切出ませんが、米国や日本といった先進国では農業に従事するだけで国から手厚い補助金を受け取れる仕組みになっています。これだけでも、途上国の第一次産業従事者は、国際的な貿易の仕組みの中では圧倒的に不利です。
そのそも、発展途上国と先進国とでは同じような職業にはほとんど従事できないという職業選択の幅の問題に加え、同じ職業を選んだとしても得られる収入がまったく違うという現実があります。
もちろん、地価や物価の絶対値が違いますので、単純な比較は出来ないのできないのでしょうけど、何とも理不尽さを感じずにはいられませんでした。

なお、このドキュメンタリーには、編集者によるコメントやメッセージはほとんどなく、視聴者が考えて判断するしかありません。
私が何かしたいと思ったのは、エチオピアでコーヒー豆が買い叩かれないようにしてあげたい、ということです。コーヒー豆も卸価格が仮に2倍になっても、今の1杯200円のコーヒーはせいぜい220円にしか値上がりしませんので、買うほうにはそれほど大きなインパクトはありません。しかし、卸価格が倍になれば、エチオピアのコーヒー生産者の手取りは2倍に増えて、子供の医療や教育にまわせるお金がずっと増えて、将来に希望を持てる社会に変わって行くことが出来るのです。
どうしたら、日本にいて、そういった社会の変革に寄与することが出来るのだろうかと考え込んでしまいました。

ただ、そうした変革が本当に日本のためになるのかと考えると、それも疑問です。
いつの間にやら、日本の製造業が中国、インド、ベトナム、タイに抜かされつつあるのと同様、日本国内の若者が遊び呆けているうちに、他国に多大な支援をすると、日本の技術力の優位性は数年から十年でひっくり返されてしまうでしょうね。
いろいろなことを考えさせられたドキュメンタリー番組でした。