現金振り込み、本人確認の下限10万円超に引き下げ

Yahoo!ニュース - 読売新聞 - 現金振り込み、本人確認の下限10万円超に引き下げへという記事が出ていました。
これは、一体どれくらいの効果が期待できるのか、甚だ疑問です。

 金融庁は2日、現金を振り込む際に金融機関に本人確認を義務づける金額の下限を、現行の「200万円超」から「10万円超」に引き下げる関連法の施行令改正案を公表した。

 一般からの意見を募った上で、来年1月4日から実施する。

 これにより、現金自動預け払い機(ATM)から、10万円超の現金を直接振り込むことはできなくなる。テロ組織への資金流出を防ぐ狙い。

ということなので、「テロ組織への資金流出防止」が目的であると示されています。
しかし、
 10万円を超える現金を振り込む場合には、銀行窓口で免許証や保険証などを提示し、金融機関が本人確認することが必要となる。

 現金自動預け払い機(ATM)を利用する場合でも、キャッシュカードや通帳を使って他の口座に振り込む場合は、口座開設時に本人確認を済ませているため、規制外となる。

ということで、キャッシュカードを持っていれば、この規制には引っ掛からないわけです。
本人確認が出来ていることと、送金先がテロ組織かどうかは、まったく別の問題です。
本人確認ができたATM口座からテロ組織宛に送金することは、やろうと思えば出来てしまいますよね。
それに、違法なこととは言え、人に頼んで銀行口座を開いてもらったり、口座自体の売買が行なわれるマーケットが存在したりすることは、ほとんどの人が知っていることだと思います。

テロ組織への送金が行なわれないようにするために本来やるべきことは、テロ組織に関係があると疑われる口座に対して、送金が出来ないような仕組みを銀行間で確立することではないでしょうか。
抜け道が山ほどあるような政策を考えて施行しようとする金融庁は、その存在意義を疑ってしまいますね。