代理出産の出生届は不受理とすべき

Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <向井さん代理出産>東京・品川区長が抗告という記事が出ていました。
我が家でも不妊治療の経験があるだけに、関連記事も含めて興味深く読みましたが、やはり、この出生届は受理されるべきではないと思います。

 国は「出産した女性を母親とする」との法解釈に基づき、代理出産で生まれた子の出生届を受理しない立場を取り、区に抗告するよう求めていた。会見した向井さん夫妻は「子供の福祉を優先して、子供が幸せになれる判断を最高裁に望みたい」と訴えた。
普通の感覚で考えれば、やはり出産した女性が、役所で管理する上でのお母さんでしょうね。

卵子の提供については、臓器移植の一種ではないかと私は考えています。
今や、臓器移植は珍しくありません。
提供された卵子が着床した時点で、出産した女性に移植され、その女性の一部になったものと考えるべきだと私は思います。

精子については、そもそも母親が誰かには関係しませんので、論じる必要さえありません。

遺伝子がどうのこうのという理屈は、向井氏たちの、ただのエゴです。
お腹を痛めていないのに、「私の実子だ」と言うのは、納得できません。

そもそも、養子だと、一体何が問題なのでしょうか?
「養子だと子供が幸せになれない」などという主張は、世の中の養子の方々に対して失礼です。
子供には、然るべき時期が来たら、「法律的には養子だけど、遺伝子的にはパパとママの本当の子供なんだよ」と言ってあげれば良いと思います。

 双子の男児は体外受精により米国人の代理母が03年11月に出産。出生届を受理されなかった向井さん夫妻は家事審判を申し立て、東京家裁は昨年11月に却下したが、夫妻側の抗告を受けた高裁は「夫妻に養育されることが最も双子の福祉にかなう」などと判断した。
関連記事も読みましたが、養育されること自体は、そもそも、問題になっていないと思います。
代理母との間で親権の争いになっているわけではありません。
本人が出産した子供でないという単純かつ常識的な理由から、品川区は出生届を受けつけなかっただけのことでしょう。
当然のことだと思います。
これを受け付けたら、「母親に出産の記録がないのに、実子がいる」という、社会通念上不自然な状態がまかり通ってしまいます。
それは、おかしな世界です。
# 未来世界で、人工子宮なるものが現実化して、母体なしで子供が産まれるようになったら、話は別ですが。

そのような理由から、私は、東京高裁の判断は、間違っていると思います。
最高裁判所が、現在の社会通念に照らし合わせて、正しい判断をすることを期待しています。