最近、メディアでの自殺関連の報道が非常に目につきます。
と言うより、そうした報道がない日などほとんどないくらいです。
そうした中、Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <自殺予告>差出人可能性の21都道府県の学校 朝から対応という、いろいろと考えさせられる記事が出ていました。
差出人がいる可能性がある21都道府県39市区町村では7日早朝から教育委員会や各小中校が対応に追われた。都道府県教委などに同省から手紙の文面がファクスされ、担任教師らが筆跡に見覚えがないか点検する学校も多かった。命は大事、それはそうだと思います。
北海道では小6女児のいじめ自殺事件があったが、豊浦町立豊浦中では7日朝、職員会議で対応を検討。全校生徒119人の個別の教育相談を今週中に開催する方向で検討を始めた。
手紙では11日に学校内での自殺を予告していることもあり、大阪府豊中市立第三中の利根安彦校長は「11日は校内で待機することも考えている」と話した。
伊吹文明文科相が特に可能性が高いとした東京都豊島区の豊島郵便局に隣接する中学校では、朝の職員会議で「生徒の出すサインを見逃さないように」と教職員同士で確認。登校してきた1年女子生徒(12)は「(ニュースを聞いて)怖いと思った。命は大事だから、いじめで死んじゃだめだと思う。死なないでほしい」と話した。また、3年男子生徒(15)は「理解できない。死んでも何も解決しないと思う」と語った。
本人にとってはまさに死活問題で、考え抜いた末、文科相にまで手紙を出したのでしょう。
しかし、その結果、これほどの騒ぎを起こすことが果たして正当化されて良いのかどうか、正直なところ、疑問です。
今、日本の年間の自殺者は3万人くらいと言われています。
自殺未遂に終わる例も多いでしょうから、自殺志願者は年間10万人くらいはいるのでしょう。
1日あたり274人、約300人です。
もしも、この300人が「○○しなければ自殺します」という手紙を、匿名で、影響力のある人や機関に対して送付したら、一体どうなるでしょうか。
受け取ったほうは、万が一のことも考えて、関係各所に展開した上で、優先度を上げて対応しますよね。
その結果、行政や教育、事務、業務に対して甚大な影響を及ぼします。
爆発物も毒物もなしで、社会は大パニック、機能不全に陥ることでしょう。
じゃあ、自殺予告を相手にしなくて良いかと言うと、普通の感情のある人であれば、そうもいきません。
無視したことが後でマスコミに知られればバッシングされることは、容易に想像できます。
どう対処したら良いか、簡単に論じられる問題でもありません。
ただ、私が思ったのは、匿名で自殺予告をするという行為は、社会に対する一種のテロになりうるのではないか、ということです。
罰則規定を設けたところで、「精神的に追い詰められていた」と言われれば、無罪放免でしょう。
「死にたい」というメッセージを周囲はどうとらえたら良いのか、非常に難しい問題だなと考えさせられました。
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