東京電力の社員による2011年夏の計画停電実施発言

会社の同僚と昼食を取っていた時に同僚から聞いた話ですが「知り合いに東京電力の社員がいるんだけど、『この夏の計画停電は絶対にあるよ』と言っていた」ということでした。
その東電の社員が、電力の需給予測に関わる業務をしているのかは把握していませんし、公式な発言でもありません。
ただ、東京電力では「この夏の計画停電を回避できるよう、精一杯頑張って、社会インフラを支える企業としての責務を全うしよう」という気概が、全社員に行き届いているわけではないようです。
そうでなければ、例え友人同士の会話であっても、東電社員から「計画停電は絶対にある」などという発言が出てくるはずがないです。

一方、私自身は、この夏の計画停電は回避されると思っています。
理由は、消費者側の意識が高いことと、不要電力削減の実際の余地がまだあることです。

3月の震災後に行なわれた計画停電は、生産者の企業に大打撃を与えました。
電気を供給する側は1日にたったの2時間と思っているのかも知れませんが、需要者にとってはその2時間の前後にも業務が出来ない時間帯が出来るわけで、実際の影響は3時間ないし4時間分あります。
あの時の記憶が残っている今、電力の需要者・消費者は「何とか計画停電回避に努めよう」として、輪番休日の採用、徹底した節電を心掛けています。
冒頭の東電社員の考えとはまったく逆で、「計画停電は絶対に回避しなければ」という意識が巷では高く、諦めてはいません。
これだけ消費者側の意識が高ければ、電気の無駄遣いは減らされるでしょう。

また、無駄な電気使用というのは、これまでたくさんあったと思います。
実際、我が家の5月の電気代は、昨年よりも10%安かったです。「不要な照明は消そう」「過度のエアコン使用を控えよう」程度の改善だけでしたが、それだけで10%です。これに、エコ家電への切り替え(具体的には白熱電球のLED電球への交換)が加わるので、電気使用量はもっと下がることでしょう。
厳密には、トータルの電気使用量ではなく、ピーク時間の電力消費をどれだけ抑えられるかが、計画停電の実施判断に関係するのですが、節電意識が高まっていれば電気使用をピーク時間外にずらそうという意識が生まれますので、その結果、ピーク時間の電気使用量も抑えられるはずです。
勤務先で言いますと、私の勤務先はIT企業なので、パソコンと照明の消費電力が電力消費のけっこうな割合を占めてしていたはずですが、照明は間引きされ、休み時間や打ち合わせでの離席時など積極的にパソコンの「スタンバイ状態」の活用をすることで電力消費だけでなく発熱も抑えられるはずです。これまで、原価低減の矛先が電気代にあまり向いていなかっただけで、企業が本気で取り組めば、業務に支障のない範囲でも、電気代はけっこうカットできる余地があります。

日本国民が一丸となって「ピーク時電力の削減で計画停電の回避を」という行動をすれば、計画停電は「絶対に回避できるはず」と、私は信じています。

逆に、もしも計画停電を回避できず、震災直後のように生産ががた落ちしたら、原子力発電での人災に加えて政治の混迷で国際的な信用を失っているのに加え、生産力を維持できない国ということで日本の一層の信用失墜を招くことになるでしょう。
そうした正念場にあることを皆が意識して行動し、計画停電を回避して生産を維持・向上させることが、東北地方だけでなく日本の復興に、不可欠だと思います。