Yahoo!ニュース - 読売新聞 - パートへの厚生年金適用、企業の7割以上が反対という記事が出ていました。
調査の結果の詳細が分からないのですが、逆の見方をすると、企業の2割以上は「適用することになっても仕方がないな」と思って(諦めて)いるということになります。
これは、正直意外で、もっと多くの企業が反対するのではないかと思っていました。
日本商工会議所が全国の主な商工会議所の会員企業を対象に行ったアンケート調査によると、厚生年金の対象を短時間労働者に広げ、パート労働者などにも適用を拡大することに、72・7%の企業が反対と答えた。実際、労働時間の基準を週30時間以上から週20時間以上に変更したら、多くの企業がパートの雇用自体を抑制するでしょうね。業種別では運輸業(84・6%)、卸・小売業(83・0%)で反対が多かった。理由は、「保険料や事務負担などの雇用コストの増加が企業経営を圧迫する」(75・3%)が最多だった。
政府は、厚生年金の対象を現行の「労働時間が週30時間以上」から「20時間以上」に拡大することを検討している。
アンケートでは、適用拡大が実施された場合に「パートの労働時間の調整を検討する」と答えた企業が58・6%にのぼった。日商は、企業が保険料の負担増を避けるため、パートの雇用自体を抑制することも懸念されるとしている。
一人当たりの労働時間を減らして、その分パートの人数を増やすようにするでしょう。
もしも私が経営者だったら、当然、そのようにします。
そうしなければ、人件費が上がることで、商品の値段に転嫁しなければなりません。
価格競争が激しい今のご時世ですので、多くの経営者が雇用調整に走るのが目に見えています。
その結果、一箇所でのパートの時間に上限を設けられることで、パートタイマーにとってはパートの掛け持ちが増えることになるでしょう。
これは、曜日によって働き先が変わることを意味するので、ある意味面倒なことだと思います。
人によっては、複数の働き先を持つことを嫌がって、労働時間を削って生活水準を落とすことを選ぶかも知れません。
格差社会是正のための施策なんでしょうけど、中途半端な施策は、かえって逆効果な面があるということを、施政側にはよく考えて欲しいですね。
もっとも、私自身は今の格差社会について、それほど問題があるとは思っていません。
地域によって医療の体制に差があるといった、社会インフラ的な格差があることは改善される必要があると思っていますが、賃金や雇用の面で格差があるのは、資本主義社会ではやむをえない面があると思うのです。
例えば、同じ企業で働いていると、成果の質に大きな差があったとしても、給与にはあまり差がつかないというのはよくあることです。こういうところには、逆に、大きな格差をつけるべきでしょう。
企業への貢献度の小さい正社員であっても、けっこうな給与が保障されている面がありますが、こうした人は思い切って配置転換をして給与を低くする必要があると思わなくもないです。
「格差がないのは良いことだ」という考えが蔓延すると、若いうちに頑張って学ぼうという意欲がなり、企業に入ってからも大した努力をしなくなり、企業の力が落ち、最後は日本企業の国際競争力が落ちることにつながります。
そうしたことを総合的に考えた上での企業運営・政策運営が必要だと、個人的には思っています。
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