先日自転車(GIANT ESCAPE R3)に乗っていて、フロントギヤの変速が出来なくなっていることに気が付きました。ギヤを重いほうに変えようとしても一番軽いギヤから変わらなくなっていました。
一通り見てみたところ、写真のようにワイヤーカバーが錆びて裂けてしまっていて、ワイヤーのテンションが効かなくなっていることが分かりました。
フロントギヤが3段ある中で一番軽いものに固定されてしまった形で、リヤギヤは8段とも使えて何とか乗れてはいたのですが、流石に不便です。金曜日に会社を定時で上がらせていただいて、会社帰りにサイクルベースあさひに立ち寄りました。
この自転車を購入したのはサイクルベースあさひの別の店舗だったのですが、会社帰りに営業時間内に行くには駅から遠く離れているため、その駅に近いサイクルベースあさひの別の店舗に持ち込みました。
まず、この選択が、失敗でした。
ワイヤーカバーが裂けていたのはフロントギヤのものだけだったのですが、リヤギヤのワイヤーカバーについてもビニールカバーが裂けて中の金属が錆びている箇所があったので、そのうちに同じように裂けてテンションが効かなくなる可能性があると考えて、フロントとリヤの両方のワイヤー交換をお願いしました。
フロントギヤは故障に伴う交換で、リヤギヤはあくまで予防のための交換です。
来店したのが金曜日の営業時間ぎりぎりでそれから修理を開始できないとのことで、土曜日の午前中に修理がなされて、正午以降であれば引き取り可能とのこと。
費用は1本約3,000円で、フロントとリヤを合わせて約6,000円とのことで、若干高いように感じられましたが、ギヤの調整などの作業も含まれると考えると技術料含めてそれくらいになるのだろうなと納得しました。
この時、「やはり故障しているフロントギヤのワイヤーだけの交換で良いです」と修理依頼を改めていたら、後述するトラブルに遭わずに済んだのですが。
翌土曜日の正午過ぎに自転車を引き取りに行ったところ、店員さんから「ワイヤー交換はしたのですが、一点、問題が」と言われて、嫌な予感がしました。
壊れていたほうのフロントギヤはワイヤー交換によって問題なく動作するようになったのですが、予防のためにワイヤー交換したリヤギヤのほうがワイヤー交換によって正常に動作しなくなってしまっていたのです。
具体的には、ギヤを重いほうから軽いほう(外側から内側)へ変える時は正常に動作するものの、ギヤを軽いほうから重いほう(内側から外側)へ変える時に1速から4速までは動作するものの、4速以降8速までは上手く変速できなくなっていました。
店員さん曰く「ワイヤーを交換したことでワイヤーの互換性がなくなり、ディレーラーのバネが古くなって力が弱くなっていて、外側への変速が出来なくなっています。ワイヤーだけでなく、シフターとディレーラー含めて一式交換する必要があります」とのことでした。
さも「実施したワイヤー交換作業には、何も問題がありません」という言い方でした。少なくとも、これまで正常に動いていた当方の自転車を壊してしまったという認識は持っていないように見えました。
そもそも、リヤのギヤはそれまで何も問題なく動いていて、ワイヤーカバーが錆びて来ていたので予防のためにワイヤー交換をお願いしたわけです。
確かに古くなってバネは弱くなっていたかも知れませんが、古くて錆びた抵抗の大きいワイヤーから新しいツルツルの抵抗の少ないワイヤーに替えたら、むしろ弱いばねでもスムーズにギヤチェンジが出来るようになるはずです。
交換後のワイヤーが不良品であるか、取り付け方に問題があるか、おおかたそんなところでしょう。
新品のワイヤーに交換してもらったら動作しなくなって、更にシフターとディレイラーも新品に交換する必要があると言われて、はいそうですかと納得できるはずがありません。
担当した店員さんはかなり若い方で、責任者クラスでないことは一目瞭然だったので、「あなたでは話にならない。責任者と話をさせて欲しい。それと、ワイヤーの互換性の問題と言うのなら、交換前のワイヤーに戻せば動作するはずだ。交換前のワイヤーは廃棄しないで下さい。いいですね」とかなり強く申し入れをしました。
傍目にも、私がかなり怒っていたことは、分かったでしょう。
若い担当者は、中堅の担当者と会話して事情を説明したらしく、すぐに中堅の方が飛んで来て「大変申し訳ありません、出来る限りの調整をさせていただきます」と言って下さりました。
こちらから色々と質問・追及をするつもりでいたのですが、すぐに作業に入るとのことでしたので、その時はそうした話をする機会がありませんでした。
それから1時間以上店内で立ったまま待つことになりましたが、最終的に、自転車は正常に動くようになって戻って来ました。
どうやら、ワイヤーが引っ掛かっているところがあったとのことで、ブレーキレバーからシフターまで、ハンドル周り全体を外して組み直したことで上手く動くようになったとのことです。
当然の結果ですが、そもそも顧客にクレームされなければそうした組み直しすら試みないのかと呆れました。
とは言え、中堅の担当者の方からは、待っている途中、「修理が終わったら配達しましょうか」「自転車の代車をお貸ししましょうか」という申し出もあったのですが、私にとってはかえって手間が増えることになりそうだったのと、ちゃんと元通りにされるのを店内で待ちたい、元通りにならないならちゃんと責任の所在を明らかにしたいという気持ちもあって、辞退しました。
待っている間に、もしも正常に直らなかった場合のことも想定して、スマホで質問項目を書き起こしていました。
流石に「直ったのなら、それで良いですよ」で済ませる気にはならなかったので、修理完了後に中堅の担当の方に質問をしました。
以下の通りです。
Q1) そもそも、正常に修理が出来なかったら、お客が引き取りに来る前に連絡を入れるものでは?
→ 連絡先に電話をしたがつながらなかったとのこと。
【補足】我が家の電話機は留守番電話ですが、メッセージは何も残っていなかったです。
Q2) 仮に電話がつながっていたとして、どういう話をするつもりでいたのですか?
→ シフターとディレイラー一式の追加交換を提案するつもりでした。
Q3) その費用は?
→ おおよそですが、9,000円です。
Q4) 若い店員に「ワイヤーの互換性」と言われたが、それが理由になるのか? そもそも、互換性のないワイヤーに替えるものなのか?
→ ワイヤーの互換性の問題ということはありません。
Q5) そもそも、今回は正常に動いている状態で、古くなったワイヤーを予防のために交換してもらった。当然、交換前にはちゃんと動いていることは確認していたはずで、交換後に動かなくなったら、その責任は交換作業をしたそちらにあるのではないか。それを「他の部品も合わせて交換する必要がある」と顧客に費用転嫁する提案をするのはおかしい。
→ その通りです。
他にも色々と言いたいことはあったのですが、同じようなことを何度も言うのもどうかと思われたので、控えました。
例えば、「5年使って錆びてスムーズな動作か期待できない古いワイヤーと、新品のワイヤー、ディレイラーのばねの力が弱いとして、どちらがより正しく動くものだとお考えですか?」とか。
と言いますか、最初から、この一言を言っていたら、若い担当者でも自分の説明がおかしいことに気が付いたのでしょうけど。
中堅の店員さんは常に平身低頭だったので、おそらく、若手の修理担当者から引き継いだ時点で、結末含めてすべてが分かっていたのでしょう。
私から色々と言い過ぎて、お店を出てから申し訳なかったという気持ちにはなりましたが、始めの若い店員さんの対応が酷過ぎたことは理解してもらえたと思います。
前日聞いていた工賃6,000円はもちろん支払うつもりでいたのですが、中堅の店員さんが「お待たせしてしまったお詫びとして、今回はお代はけっこうです」とのことで、店頭で少々押し問答になったのですが、これ以上言い争いをするのが嫌になって来ていたので、申し出の通りにしました。
今日、本来は必要のないハンドル付近全体の組み直しをしたことで、ブレーキレバーやシフターの角度が変わってしまっていたので、これから自分で元の状態になるよう調整をすることになり、こちらにも余分な手間暇が発生しますので、店頭で待たされた時間 + 自分で追加調整をする手間賃と考えると、それほどおかしなことはないとも思っています。
それにしても、今回思ったのは、自転車専門店の修理担当者の技術力と想像力の低さです。
皆が皆ではないのでしょうけど、正常に動いている変速システムのワイヤーを予防のために新品に交換して動かなくなった場合に、他の技術者と共に問題の追及をすることなく、いきなり顧客に「シフターとディレイラー一式の交換が必要です」と電話して提案するものなのでしょうか。それで納得する顧客は多くはなく、逆に、私のように猛クレームされることもあるでしょう。問題なく修理できた場合はさておき、想定通りの修理が出来なかった場合は年長の技術者に判断を仰ぐべきだと思います。
逆に、「古くなっているから」という理由で言いくるめられてしまう顧客が一定数いるとしたら、3,000円で済むワイヤー交換が12,000円での変速システム一式交換にされてしまうわけで、そういう商売をするのはいかがなものかと思いました。
今回の件で分かったのは、自転車専門店の人だからと言って、必ずしも技術力があるわけではないということです。
今後、一般的な工具で修理可能なものは、ネットで部品を調達して自分で修理することも考えようと思います。
私が中学生や高校生の頃は、パンク修理、ワイヤー交換、スポーク交換などは自分自身でやっていましたし。
今回、サイクルベースあさひの店内で店員さんに猛烈にクレームをしてしまったわけで、双方とも後味の悪い結果になってしまいました。
休日ですので、周囲にいた他のお客さんにも、「何だかものすごく怒ってクレームしている人がいる」と見られていたでしょう。
それを思い出すと、私がこちらのサイクルベースあさひの店舗を利用することは、生涯絶対にないと思います。
私が自転車を購入したサイクルベースあさひの店舗に行くことも、もう、ないかも知れません。店員さんの店舗間ローテーションで、こちらのサイクルベースあさひの店員さんが、私が自転車を購入したサイクルベースあさひの店舗に来る可能性もあると思いますので。
このように店員さんとのトラブルを経験して、「今後、絶対に利用しないお店」が身の回りに増えて行くのは、何とも哀しいものです。
■2019/6/9 追記
その後、自分でブレーキレバーとシフターの角度調整をして乗り続けていますが、快適に乗ることが出来ています。
リアギヤの変速は、重いほうへのシフトが上手く行かないことはまったくなく、軽いほうへのシフトの際にワイヤーの抵抗がなく掛ける力が小さくて済むようになったと感じています。
引き渡し当日のことは自分でも気分が悪くなるのであまり思い出したくないのですが、以下のようなこともあり得たと思うと、不幸中の幸いだったとも言えます。
今回、フロントギヤとリヤギヤの両方のワイヤー交換をしたわけですが、もしもフロントギヤ側のワイヤーの取り付け不良だったとしたら、フロントギヤは持ち込んだ時点で正常に動いていなかったわけで、「持ち込まれた時点からディレイラーのバネが弱くなっていた」とサイクルベースあさひ側から主張されたら私には反論できなかったかも知れません。
そういう意味で、取り付け不良が起こったのがフロントギヤ側でなくリヤギヤ側だったのは、不幸中の幸いでした。
また、リヤギヤは1速から4速までは正常に動いていて、5速以降へのシフトが上手く行きませんでした。
もしも、リヤギヤのバネにもう少し力が残っていたら、今回のように取り付け不良でワイヤーに引っ掛かりがある状態でも、辛うじて8速まで変速が出来てしまっていたかも知れません。
その後、月日が経ってリヤギヤのバネがもう少し弱くなったり、ワイヤーが錆びて来て抵抗がもう少し大きくなったりしたら、8速付近から変速不良が出て来たかも知れません。
半年後か1年後くらいに変速不良となって、その時に「ディレイラーのバネが弱くなっているのが原因です」と言われたら、私にはそれを否定することは出来ず、今回の6,000円に加えて、その時に3,000円+9,000円で12,000円の出費、合計18,000円の出費になっていたかも知れません。
今回取り付け不良と明らかに分かる状況で引き渡しがされようとしたので、最終的に合計18,000円の出費を免れることが出来たと考えると、それも不幸中の幸いと言えるでしょう。
いずれにせよ、出費の面では幸いなことになってはいますが、私が自転車を購入したサイクルベースあさひの店舗も「今後、行きたくないお店」となってしまったことが残念でなりません。
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