Yahoo!ニュース - impress Watch - 総務省調査、携帯からのネット利用がパソコンを上回るという記事が出ていました。
報道資料にも目を通しましたが、嘘を言っているわけではないのですが「携帯からのネット利用がパソコンを上回る」という見出しは誤解を与えると思います。
総務省は、携帯電話やパソコンからのインターネット利用などを調査したレポート「通信利用動向調査」の結果を発表した。2005年末時点でのデータで、世帯や法人でのネット利用状況が明らかにされており、携帯電話からのインターネット利用者数が、パソコンからの利用者数を初めて上回っている。とあるように、上回ったのは利用者数であって、利用ではないんですよね。
言い方を変えると、ケータイの利用者数が、パソコンの利用者数よりも多い、みたいなことになるわけです。
「パソコンを持っていなくてもケータイは持っている」という人はたくさんいるでしょうから、これに「インターネット利用」というフィルタを掛けても、ケータイのほうが利用者が多いのは納得できます。
しかし、利用者と利用度は別の問題です。
どういった端末からインターネットを利用しているか、という点についてはパソコンユーザーが6,601万人、携帯電話・PHSユーザーが6,923万人と、今回の調査で初めて携帯・PHSユーザーがパソコンユーザーより多いという結果になった。なお、このうち両方を使うユーザーは4,862万人と見られ、パソコンのみ使うユーザーは前年より521万人減少。携帯電話でのネット利用が拡大している状況が明らかにされている。つまり、用途に応じて使い分けているということです。利用頻度を見ると、「1日1回は利用する」というユーザーが携帯電話では55.3%、パソコンでは43.9%となった。世代別では、10代(13歳以上)および20代のユーザーの6割以上が携帯電話からネットを利用している。
ネットの利用目的としては、携帯電話ユーザーの場合、「連絡・情報交換手段」が69.5%を占めた。「音楽デジタルコンテンツの入手」は26.2%、「ニュース・天気予報の情報入手」は25.1%で、携帯・PHSがコミュニケーションツールとしての役割を果たしていることが明確に示されている。
友人との連絡や情報交換手段はケータイのほうが多いのでしょうけど、「ニュース・天気予報の情報入手」「商品・サービス・企業・店舗等の情報入手」「物品・サービスの購入・取引」に関してはパソコンのほうが圧倒的に使われていることが、報道資料の別添にも明記されています。
ケータイとパソコンの利用で、本当にどちらが多いのかは、利用の仕方や費やした時間など、もっと多角的・統計的に見ないと、はっきりとは言えないのではないでしょうか。
そういう意味で、今回の引用記事の見出しは、誤解を招く表現だと思います。
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