事件が起こってからかなり月日が経ちましたが、ようやく損害賠償請求の話題が出てきましたね。
Yahoo!ニュース - ロイター - 東証、みずほ証から誤発注での損害賠償金404億円の請求受けるという記事です。
[東京 22日 ロイター] 東京証券取引所の西室泰三社長は22日の定例会見で、ジェイコム<2462.T>株式売買の誤発注問題をめぐり、みずほ証券から404億円の損害賠償を求める催告書を18日に受けたことを明らかにした。(中略)
みずほ証券と東証は、昨年12月の誤発注発生以降、損失負担などを巡り計11回の意見交換を行ってきたが、西室社長は「あまりにも問題についての考え方が違った。みずほ証券側は話し合いでの解決が不可能と判断したようだ」としている。私見ですが、東証には、明らかに「重過失」があったと私は考えています。
みずほ側は、誤発注を取り消せなかった東証のシステムに問題があったとしているが、東証側は故意、重過失でない場合は免責されるという規定に沿って、損害賠償を拒否する姿勢。西室社長は「今後は弁護士と相談し、こちらの見解を出す」としている。
全額とは言いませんが、かなりの損害賠償請求は認められるのではないでしょうか。
その根拠は、株誤発注 東証システムに不備 : 金融ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)です。
ここには、
みずほ証券が総合人材サービス業、ジェイコム(マザーズ市場)の株式を大量に誤発注した問題で、東京証券取引所の鶴島琢夫社長は11日夜、記者会見し、誤発注に気付いたみずほ証券が大量の誤発注を取り消せなかったのは、東証の売買システムの不具合が原因だったと発表した。とありますので、まず、東証の売買システムに不具合があったために、誤発注を取り消せなかったと東証は認めています。
発注の取り消しが出来ないシステムは、システムとしてはとんでもない不良品であり、これだけでも重過失と認定されてもおかしくありません。
さらに、こちらの記事には、分単位で何が起こったか羅列されています。
システム上の問題に加え、東証は、当該銘柄を一時的に売買停止にするという措置を怠っています。
この措置は、珍しいことではなく、株価に影響を与える出来事が起これば、その周知が終わるまでの間、その銘柄の売買を一時停止にするのは日常茶飯事です。
東証の担当者は、みずほ証券の損害が拡大するのを把握していながらも、何ら具体的な策を講じませんでした。
これを、重過失と言わずして、一体何と言うのでしょうか。
以上の2つの理由から、東証に重過失があったことは、裁判になれば間違いなく認定されるでしょう。
みずほ証券が求める全額が認められるかどうかは分かりませんが、数百億の単位では認められる公算が高いと私は予想しています。
そうなれば、システム構築を担当した富士通にも、飛び火するかも知れませんね。
解決までは長い時間が掛かりそうです。
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