ぶるうピーター1【感想】

ブッキングから小山田いく選集として復刊された、小山田いくのぶるうピーターの第1巻をAmazonで購入しました。
コミックスも全巻持っているので、この復刻本を買うのは、単に書き下ろし「航跡(ウエーキ)ひいて」を読みたいだけなのですが。

ぶるうピーターは、高校生の頃に友達からコミックスを借りて読んだのですが、その展開は私にとっては驚きでした。
少年向けのほとんどの漫画は、主人公とヒロインはハッピーな結果に終わると相場が決まっていますし、読み手も、途中でハプニングがあっても最後は元に戻ってうまく行く、と思って読み進めます。
それが、そうならない展開というのは、私には驚きでした。

さて、書き下ろしの「航跡(ウエーキ)ひいて」ですが、初回はアルゴー寮の名前の由来となったアルゴー号にまつわるものでした。
小山田先生が小学生の頃に読んだのは

宇宙船 アルゴー号の冒険 少年少女宇宙科学冒険全集1

原作・ベ・ブラドコ 訳・馬上義太郎、岩崎書店、1964年
だったようです。(後に読んだギリシャ神話については特定できませんでした。)
ギリシャ神話のアルゴー号に乗ったイアソンは、最後は不憫な形で生涯を終えたとのことで、それが小山田先生の心にずっと残っていて、ぶるうピーターの連載開始から半年経った頃から「ヒロインが変わったらどうだろう」と思い始めたそうです。
確かに、初めの頃のストーリーからは、ヒロインが西夜からお鈴に変わるとはまったく思えませんでしたので、ある意味、合点が行きました。
ただ、今でも、何故、一帆と西夜はうまく行かなかったのだろう、と思わなくもないですが。