ネットオークションと個人情報

ネットオークションに参加することのデメリット/リスクには、さまざまなものがあります。
その一つとして、個人情報漏洩が挙げられます。

現在、ネットオークションで商品を売買する際には、出品者でも落札者でも、少なくとも以下の情報を相手に公開しなければなりません。
・名前
・住所
・電話暗号
・電子メールアドレス

出品者の場合は、さらに銀行口座情報も公開しなければならないこともあります。

私の場合、小額取引が中心でした。
ですので、1回の取引で得られる金銭的な利得は、手間賃を除いて単純計算で平均すると1,000円未満だったと思います。
1,000円未満の利益のために、上記の個人情報を、見も知らぬ人に公開しなければならないのです。

別の、普段よく見かける例に置き換えてみましょう。
街角で、1,000円もしないであろう試供品を配っていたとします。
その試供品を受け取ったら「こちらへの記入をお願いしたいのですが」と言われ、そこに住所・氏名・電話番号・メールアドレスを記載しなければならないとしたら、どうしますか?
私なら、「それなら、けっこうです」と言って、試供品を返しますね。
ダイレクトメールが送付されて来たり、自宅への電話が掛かって来たりするのは嫌ですから。
それと同じ考え方です。

上記の情報を、ネットオークションでの取り引きの際に先方に伝えたことで、私自身、実際に、以下のような出来事がありました。

(1) 取り引き相手のパソコンがコンピュータウィルスに感染し、当方のメールアドレス宛にウィルス感染したメールが送られてきた。(ヘッダを解析して相手を突き止め「そちらのパソコンがウィルスに感染していますよ」と伝えたのですが、その後もしばらくウィルスメールは続きました。そのうちに止まりましたが、相手からのお詫び等は、まったくありませんでした。)

(2) 連絡のために、自宅に直接電話がかかって来た。(認識の違いかも知れませんが、ネットオークションでの連絡は、緊急の場合を除き、メール連絡が基本のはずです。私がオークションに出品していたことを知らない家人が出たため、「これは一体何の電話?」とかなり狼狽し、パニックになったらしいです。)

それと、もう一つ、ほとんどのネットオークションシステムは、評価システムを導入していますが、見方を変えてみれば、これも、個人情報を晒すものです。
「この人は、こういうものを売買しているんだ」と、持ち物や趣味・趣向が分かってしまいます。
オークション自体はバーチャルな世界なので、実際の出品者/落札者との対応は分かりませんが、実際に誰かと取り引きをすれば、お互いに住所や実名が分かってしまいます。
取り引きをしなくても、Yahooのメールを使っている人であれば、@yahoo.co.jpの前がヤフオクのIDになっていることが多いですし、そこから推測すれば、他の人のIDを知ることが出来ます。
他にも、飲み会とかで「へぇ〜、君ネットオークション、やっているんだ。それで、今、何か出品しているの?」と振れば、出品物くらいは答えてくれるでしょう。その出品物を検索して、ヤフオクのIDをたどることも出来ます。

上記のような個人情報を公開することに抵抗のない方はネットオークションを続けても良いと思います。
少しでも抵抗があれば、ネットオークションへの参加は、再考したほうが良いと思います。

次回は、今回少し触れましたが、ネットオークションで得られるトータルな利益について書こうと思います。