今回はネットオークションと環境問題について書くつもりでしたが、毎日新聞社からヤフー:利用者からの通報無視、不正出品オークションという記事が出ていたので、そちらについての私見を書きます。
多くの方がヤフーの対応を批判している中、反対の立場で書くのは勇気がいるのですが、私は、当該女性の対応にも問題があったと感じています。
一番感じたのは、毎日新聞社も、堕ちたものだということです。
以下、ネットの記事の内容を引用しながら私見を述べます。
国内最大のネットオークションを運営するヤフー(本社・東京都港区)が、不正出品された利用者からの通報を無視して競売停止に応じなかったことが分かった。ヤフーは、無視などしていないでしょう。
2日後には、ちゃんとメールで回答が届いたのですから。
無視と遅延が意味が違いますし、支離滅裂な記事です。
「返信が来るのが2日後とはあまりに遅過ぎる。無視したのと同然だ」とでも考えているのでしょうか?
ヤフーには、膨大な数の出品があることから推測されるように、日々膨大な数の問い合わせメールが届いているのです。
しかも、4月の下旬と言えば、ゴールデンウィーク前ですし、「ゴールデンウィーク中に入札してもらうために出品しておこう」という人、それに関連してヤフーに質問する人もたくさんいたはずです。
ヤフーが、公平に、メールが届いた順に処理をしていれば、1日や2日かかってもおかしくないです。
私自身も、以前、ヤフーにオークション関係で問い合わせをしたことがありますが、朝の出勤前にメールを出して、返信が来たのはその日の夕方でした。
その日のうちに返信が来たことに「迅速な対応だな」と感心したくらいです。
落札期日が迫っているのですぐに対処を」と同社にメールで数回通報。しかし、返事がなかったため出品を取り消す手続きを取った。「返事がなかった」って、一体、どれくらい待ったのでしょうね。
一時間おきにでもメールしたのでしょうか。
ヤフオクの利用料金が格安に抑えられている仕組みのことを考えれば、24時間以内に返信が来れば「早かったな」、48時間以内に返信が来れば「まあ、こんなもんだろう」というのが普通の感覚ではないでしょうか。
プレミアム会員費は掛かりますが、単に出品してみるだけなら、1回の手数料は何と10.5円です。
信じられないくらい格安だとは思いませんか?
ヤフーは、それに十分見合ったサービスを提供していると思います。
それに、入札者がいる出品を取り消す際は、取り消し手数料が請求されることの確認画面が表示されます。
本人がそれに同意しないと出品を取り消すことは出来ません。
料金請求の仕組みとしては、まったく問題がありません。
また、少なくとも、本人にオークション取り消しが出来たということは、パスワードは変更されていなかったということですから、出品内容の文面に対する追記は本人に可能だったはずです。
この女性のすべきことは、
(1) 追記として、「この出品は、なりすまし詐欺によるものです。現在、ヤフーオークションに対応を依頼しています。絶対に送金しないで下さい。」とすぐに商品説明に書く。
(2) 落札者にヤフオクから送られる通知メールの本文中、出品者からのメッセージとして、(1)と同様のことを書く。
(3) オークションの早期終了をするか、オークションの終了時刻の直後に、落札者のメールアドレス宛に、(1)と同様の内容でメールを送る。
といったことでしょう。
他にも、すぐにパスワードを変えるとか、警察に通報するとか、やるべきことはいろいろあったでしょう。
記事を読む限り、ヤフーにメールで対処を依頼して、自分では出品自体に何ら具体的な対策をしていなかったように読めます。
その間に、誰かが新たに入札したり、商品説明中に連絡先として書かれたメールアドレスにメールして直接交渉をした人もいたかも知れません。被害の拡大を放置していたのは、ヤフオクではなく、当の女性です。
自分に更新権限があったというのに、他人任せで何もしなかったことは、出品者のIDを持つ人として、非難されておかしくないと私は考えます。
もちろん、こうした場合、気が動転していてそこまで頭が回らなかったのでしょうから、非難されて当然とまでは言いませんけど。
いずれにせよ、自分に権限があった状態なんですから、自己責任の部分は考慮に入れるべきです。
技術的な話をすれば、推測されやすいパスワードを使っていたか、勤務先と同じパスワードを使っていたか、不特定多数の人が利用するネットカフェを使ったことがあるか、自分のパソコンのウィルス・スパイウェア対策を怠っていたのでしょうし。
さらに、毎日新聞社が得たという、ヤフオクへの取材での回答内容にも、問題があります。
今回の対応について、ヤフー法務部は、毎日新聞の取材に「従業員が顧客情報を悪用する可能性を考え、利用者に代わって出品の取り消しなどができるシステムにはしていない。被害者と確定すれば取り消し料など返金する」としている。この、ヤフーが回答したとされる内容は、正しくないですです。
利用規約で「出品していけないもの」に該当するものについては、ヤフーの判断で削除することが出来ると明記されています。
私自身、削除された経験がありますし、ヤフーが削除権限を持つことは利用規約を読めば分かることです。
今回のようなチケットであれば、ヤフーの判断で削除することも出来たでしょう。
こうした仕組みは、ヤフオク利用歴がそこそこある人なら、当然知っていることで、ヤフーが毎日新聞に対してそんな子供だましの回答をするとは思えません。
毎日新聞の記者が意味を取り違えて書いたものでしょう。
それに、毎日新聞の記者がヤフオクの利用規約に目を通していれば、ヤフオクに出品の取り消し権限があることくらい、すぐに分かりますし、記者が裏を取るという取材上の基本を怠っていたことは明らかです。
私には、毎日新聞社の「大平誠」記者が、ヤフオクの利用規約にちゃんと目を通さず、女性のたれこみを鵜呑みにして、センセーショナルに書いた記事にしか読めませんでした。
さらに、
【ネットオークション】ヤフー、楽天、ビッダーズが管理・運営の大手3社。経済産業省によると、04年で約7840億円の市場があり、ヤフーは約5700億円を占める。会員はあらかじめ登録した固有のIDを使って出品や入落札する。管理・運営会社は落札額の一部などを手数料として徴収している。出品者のIDには落札者の評価が付き累積されるシステムとなっており、優良取引を繰り返せば、そのIDの信頼度が高まる。この記事のURLには、mainichi-msn.co.jpが含まれます。
MSNオークションは、こういう場合、どういう対応を取るのでしょうね。
次の記事ヤフー:ネット競売詐欺出品の被害女性に誓約書要求で、(おそらく)同じ記者が12時間後に書いたもう一つの記事について私見を書きたいと思います。
tlabyo
記事に関しての疑義はお書きの点了解出来るのですが、この女性からの視点が示されるとなお説得力があるように思いました。 ただぼくの立場は反対で、ヤフーの側にいたらぬ所が多いように思えます。 離れますが、いまヤフーブログの管理について幾つかの要望をしています。半月しても無回答、適切な処置もとられません。このブログに関しては、利用者と対話して行く、姿勢が見られず残念と言うより困っています。TBありがとうございました。