以前、木曜洋画劇場で放送されていて録画しておいたのを、夏期休暇を使って観ました。
多分、この映画を観るのは、2度目か3度目だと思います。
アートFBI捜査官ことブルース・ウィルスが、ダイ・ハードのような活躍をして、両親を殺されてしまった、自閉症の少年サイモンを護り抜きます。
この少年が、スーパーコンピューターでも解けない暗号を見て解いてしまう能力を持っていることから、国家安全保障局によって狙われてしまいます。
もちろん、何の罪もない自閉症の少年を殺害しようとすることは、どのような理由があっても許されることではないと、法律の面では、思います。
一方で、悪役とされているクドロー中佐の行ないを100%否定できるかと言うと、国家機密保持の観点では、一応、筋が通っている言い分であることは否めません。
クドロー中佐が、私利私欲のため「だけ」に行動していたのであれば、悪役として憎むことも出来るのですが...
究極の選択なのでしょうけど、「自分は愛国者だ」と言い切ったクドロー中佐を完全に否定するのは難しいと感じました。
結局、パズル雑誌にマーキュリーによる暗号を勝手に掲載した、ディーンとレオがいけなかったのでしょうね。
また、国家安全保障局には、サイモンとその家族を、殺害するのではなく、国家安全保障局で(半ば強制的に)雇ってしまうという解はなかったのだろうか、とも思います。
サイモンの能力は、他国の暗号解読にも活かすことが出来たでしょうし。
見方を変えてみると、この作品は、サスペンス・アクションと言いながら、障碍者に対する偏見と言うか、接し方の難しさを描いているとも言えます。
そう考えると、奥が深いです。
ところで、サイモンは、証人保護プログラムによる保護を受けたのだと思います。
だとすれば、サイモンという名前はこの世から抹消され、居場所も秘密にされて、後でアートが会いに行くことも出来なかったはずです。
まあ、最後に、サイモンがアートのことを覚えていて、アートに抱きつくシーンが感動的だったので、細かいことは言いっこなしにしておけば良いのかも知れませんが。
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