ネット予約で竹林の湯宿 はやし屋に宿泊

今月は、私自身の会社での管理職への昇進祝い、家内の誕生日、長男の1歳の誕生日の少し早いお祝いということで、家族3人で一泊二日で温泉旅行に出掛けて来ました。
行って来たのは、「群馬県 磯部温泉 竹林の湯宿 はやし屋」というところです。
家族3人で、親戚宅以外へ泊まりで旅行に行くのは、これが初めてでした。
それだけに、記念の旅行ということで、良い想い出にしたかったのですが...
ネット予約が発端の行き違いがあり、結果的に、非常に後味の悪い旅行に終わってしまいました。

今回、私が得た教訓は、以下の通りです。
宿泊者は、ネットの宿泊サイト上で公開されている情報を、自分達の視点で読んで、解釈する。
旅館側は、ネットの宿泊サイト上に公開された情報を、逐一ちゃんと確認しているわけではなく、しかもそもそも良いケース中心で記載している。
上記の結果、宿泊者と旅館の間で、予約したプランに関する認識の齟齬が発生することがあり、それに気がつくのがチェックインの後だった場合、その滞在は、宿泊者にとっても旅館側にとっても、後味の悪い結果になる可能性が高い。

なお、本記事では、旅館名を実名で出していますが、旅館の評価を書くことが目的ではありません。(評価は、ネット予約サイトのクチコミ等のほうが十分参考になるでしょう。ですので、食事や温泉施設に関する話は、本記事ではあえて触れません。)
客観的に言って、今回のはやし屋の従業員の方々は、皆、彼らの裁量の範囲で出来るだけの誠心誠意、十分気配りの効いた対応をして下さったと思っています。
そうした観点では、各従業員の方々に、不満を言ったり、改善して欲しいと考えたりするようなことは特に思い当たりません。
が、ネット予約のプロセスの行き違いに端を発することで、私がこれまでに経験した個人旅行・ビジネスでの宿泊で、最も気分の悪い滞在となってしまいました。
多分、旅館側も、私達家族を「要注意滞在者」と見ていたのではないかと思います。
これは、双方にとって、良くないことだったと思います。

何でこうなってしまったのでしょうか...

多分、はやし屋に限らず、ネットで予約をすると、他のホテルや旅館であっても、しばしば同じようなことが起こるのではないかと思っています。
ネット予約をすることで生じうるトラブルについて、今後、他の方々が私達のように不愉快な思いをすることがないよう、何に気をつけなければならないか、留意点に気がつけるよう、今回の経緯を踏まえて記述します。

■ネットでの旅館絞込み
ここのところ、休日も家で仕事をしなければならないことが多く、「今度の三連休に旅行に行ける」と判断できたのは宿泊予定日の2週間前のことでした。
今回は家族の記念旅行で、「非日常感を味わえるように、少し遠いところ」「疲れを癒せるように、天然温泉があるところ」「10ヶ月の長男が気兼ねなく過ごせるよう、食事は部屋食であること」、この3点を必須条件としていました。
国内旅行で、上記の条件を満たす土曜の晩の予約となると、割と早く埋まってしまいます。
上記の3点を満たして、お値段もまずまずのところとして、関東以北で空室があったのはたったの3件で、移動距離を考えて、今回の「群馬県 磯部温泉 竹林の湯宿 はやし屋」に予約をすることにしました。

■ネットでのプラン調査と予約
旅館を決める際に、プランのほうも、ネット上のリンク先を一通りクリックして詳細を確認しました。
今回チェックしたのは、風流亭プランというものです。

まず、ゆこゆこネットで見たところ、風流亭プランの説明に
【これまでの主なメニュー一例】
●大人夕食(部屋食)
(略)
●大人朝食(部屋食)
(略)
●子供朝食
(略)

と記載がありました。メニューは季節によって変わるのでしょうけど、食事の場所は「部屋食」以外掲載されていないのですから、「風流亭プランは朝夕、基本的に部屋食なんだ」と理解し、宿泊の候補に挙がりました。(なお、後述しますが、朝食が部屋食というのは、ゆこゆこネットの掲載ミスで、はやし屋で朝食を部屋食で提供したことは過去一度もないとのです。)

次に、じゃらんネットを見ました。最終的には、こちらのじゃらんネットから予約をしましたので、私が期待するサービスの前提は、じゃらんネットに記載の情報となります。
こちらの「基本情報・アクセス」の「食事」のところに、
地元の食材をふんだんに使った「季節山里料理」が夕の膳
(略)
旬の味にこだわった、地元のおいしいお料理を、お部屋でのんびり味わうことができる。
と記載があり、基本情報として部屋出しであることが記載され、宣伝されているのですから、これで夕食が間違いなく部屋食であると、私達は思い込みました。
ただし、別ページの風流亭プランの説明のところには、
④夕食はお部屋出し(2名時)又はお食事処(3名以上)※繁忙期は朝夕ともお食事処になる事もございます。

という記載がありました。
が、我々3人家族で食事を頼んだのは大人2名分であり、長男は布団だけの予約です。
なので、「2名なので食事は部屋出しだ」と、ここでも追認識しました。

また、※書きの箇所については、予約時の自動応答の確認メールでも読んで目にはしていましたが、群馬県で10月の連休が繁忙期という認識は私達にはまったくありませんでした。
日本における繁忙期と言ったら、年末年始、ゴールデンウィーク、お盆休み、卒業旅行のある3月下旬から4月上旬くらいでしょう。立地によっては、スキーシーズンや海水浴シーズンも繁忙期に含まれるかも知れません。また、群馬県でも、まだ紅葉シーズンではありません。
しかし、土日やハッピーマンデーによる3連休が繁忙期という認識は、少なくとも私達にはありませんでした。

■旅館からのパンフレット送付
じゃらんnetでのネット予約の際に、旅館からのパンフレット送付を希望する旨、チェックボックスにチェックを入れておいたので、3日後くらい(9月末)に旅館からパンフレットが郵送されて来ました。
ただ、同封されていたのは普通に配られているパンフレットだけで、我々が予約したプランの内容について具体的に記された用紙は、まったく含まれていませんでした。
また、予約確認メールで※書きされていた、繁忙期の定義も、記載はどこにも見当たりませんでした。
ですので、「旅館から何も言って来ていないんだし、食事の場所は、部屋食で大丈夫なんだろうな」と思い、特に旅館側に確認の電話を入れることはしませんでした。
今思えば、この時点で「食事は部屋食ですよね」と確認の連絡を入れるべきだったのでしょう。

■当日のチェックイン
チェックインは、ごく普通に、宿泊者名簿に代表者の名前と住所、電話番号等を記入するだけで終わりました。
「何かご要望とか、ご不明な点はありますか?」といった話はその時点では特になく、ロビーでお茶菓子をいただいた後、部屋に案内されました。

■部屋での仲居さんからの説明
部屋に通されて、仲居さんから説明があり、「食事は朝夕とも食事処になります。何時になさいますか?」という話がいきなりありました。
食事が部屋食でないことは、この時、初めて知りました。
私自身は、車を6時間運転して来てかなり疲れていたこともあり、この時は、頭が真っ白になりました。
代わりに家内が「小さい子供がいるので、他のお客の方々と一緒に食べるのは、ご迷惑になるのでは」といった控えめな質問はしたのですが、仲居さんにしてみれば、それが「部屋食にして欲しい」という要望だとは聞こえなかったらしく(文字通り受け取れば、確かに、要望ではなく、質問の言葉でしたし)、食事処で6時からということでその場では一旦決まり、仲居さんは引き上げて行きました。

■家内との会話
私自身は、「特別扱い」を主張するような、いわゆるクレーマーではありません(少なくとも、自分ではそう思っています)。
が、仲居さんが引き上げた後、家内と「お風呂、どうする? 食事前に行こうか? お風呂、どこだっけ?」と話を切り出したところ、家内は「食事が部屋食でないと聞いて、パニクってしまい、他の説明はまったく耳に入らなかった」「食事が部屋食だからこそ、この旅館を選んだ。食事が部屋食でないなら、こんな遠くまで車で来ることは絶対になかった。一体、何のために来たのか分からない」とかなり悔しそうなことをこぼしていました。
それを聞いて、私も、「そうだ、ここの旅館を選んだのは、部屋食プランだったからじゃないか。それが、当日になって『繁忙期だから』という旅館側の言い分で、勝手にプランの内容が変わるとは、やはり承服できない。このままでは、後味の悪い滞在になるので、ちゃんと言うべきことは言うべきだ」という思いがふつふつとこみ上げてきました。
それから、念のため食事処も実際に見て来ましたが、16畳か20畳くらいのところに、テーブルが4つ、4つの予約客が同じ部屋で食事をするような感じでした。これでは、生後10ヶ月の長男を連れて行って、落ち着いて食事をするのはまず無理です。少なくとも、周囲の別のお客さんに迷惑になる状況では、私達も、他のお客様も、ゆっくりくつろげはしないでしょう。
しかも、連れて行くのが0歳児であることは、事前に旅館に連絡してありますので、ちょっと気が利けば「部屋食を会場食にすると、このお客様は困るのでは」と想像することはできたと思います。

■フロントへのクレーム
そうした経緯があり、「どう考えても、予約をした私達に、非があるとは思えない」という確信を持って、私一人でフロントに行きました。
今思うと、私は、かなりひどい剣幕だったとは思います。
私の主張は、「そもそも、朝夕とも部屋食であることをうたい文句にしたプランで、我々はそれに同意して申し込んだはずだ。にも関わらず、(定義の不明な)繁忙期という理由で、しかも当日にチェックインしてから食事処になっていると言われるのは、理解できない。納得の出来る説明をして欲しい」というものでした。
私の剣幕に押されたのでしょう、フロントの方は的を得た回答が出来ませんでした。唯一、「当旅館では、朝食を部屋食で提供したことは一度もない」という答えがあり、私は「なるほど、では朝食については、私達の勘違いかも知れない。しかし、夕食については、ネット上で全国の旅館の中からこちらの旅館を選ぶ際に、部屋食であることを確かに確認したはずだ。」と言い、フロント係とではそれ以上の進展は見られず、「上の人と話がしたい」と私から切り出し、マネージャクラスと思しき人が出て来ました。
マネージャクラスの方に、私は少し言い方を変えました。「私が見た、ネット上のプランの紹介では、部屋食であることの記載があったはずだ。食事処になることの記載があったかどうかはよく覚えていない。あいにく、私はパソコンを持って来ていないので、記載内容を今は確認することが出来ない。そちらで、今、ネット上のプランの記載を確認して、私達の予約が部屋食でないことが誰にでも分かる記載になっていることを、証明して欲しい。そうであれば、部屋食でないのも、仕方がないと考える。」と言いました。錯誤の原因を作ったのが、旅館(もしくはネット予約業者)側であることを認めさせようという戦略です。

ネットでの※書きの内容については、確かに、旅館側の弁解の根拠には使えるでしょう。
でも、それで免罪符になるわけではありません。
基本情報に部屋食であることを記載してあるのですから、食事処での提供になるのであれば、事前にその旨、連絡があるのが当然ではないでしょうか。
遠路、車で行って、部屋に通されてから、(旅館の宣伝で大々的に言っているのと違い)部屋食ではないと言われたら、普通の宿泊者は落胆すると思います。
まして、0歳児連れで(このことは、上述のように宿泊予約時に特記事項として伝えてありました)、部屋食を前提で宿探しをしたのですから、部屋に着いてから「食事は朝夕とも食事処です」と聞かされたら、親としては「話が違う」という感情を抱くのは普通の反応だと思います。

マネージャクラスの方は「しばらくお待ち下さい」と言って、10分か15分ほど待たされたでしょうか、マネージャクラスの方の代わりに、先のフロントの方が出てきて、「お客様の要望にはできるだけ応えるのが当旅館のモットーであり、夕食については、今回は部屋食で対応する(ただし、少しだけ準備の時間をいただきたい)。朝食についても、お客様の希望があれば、部屋食は無理だが、他のお客様とは別の個室を用意したい」とのことでした。
結局、錯誤の原因についての、旅館側の立場での説明は、その場ではありませんでした。(後述しますが、このことが、自宅に帰るまで、私の頭を「もしかして、私の思い違いで無理難題を言って、フロントのでの剣幕によって無理やり対応を強いたことになってしまったのではないか」と悩まし続けました。)
私は、希望を無理に通す気はそもそもありませんでしたので、「私は、私が予約したプランに記載されていた通りのサービスを受けたいだけだ。朝食については、そもそもプランの説明に食事処とあったのであれば、食事処で構わない」と言って、フロントを後にしました。

■その後のサービス
夕食の場所に関して、私達の主張が認められた点は、良かったと私は思いました。
もしも主張が受け入れられない(もしくは、話が通じない)なら、私自身は夕食に一口も箸をつけずにボイコットして抗議するか、最悪、その場でキャンセル料を払って、すぐに旅館を後にしようと思っていたくらいでしたから。
そして、夕食は40分遅れで部屋食になり、「グラスビールですが、グラスがなかったのでジョッキにしました(これは、嘘でしょう。分かるような嘘はついては駄目です。)」ということで、グラスビールがジョッキビールへとグレードアップされていました。
さらに、朝食は、当初は食事処(朝食については、じゃらんネットで見る限り、部屋食なのか食事処なのか、明記がありません。ゆこゆこネットでは、「部屋食」と記載がありました)だったのが、宿泊している部屋とは別の、食事処ではない空いている個室に変更になりました。
また、帰りのチェックアウトの際には「不手際があった」とのことで、別のフロントサービスの方から、菓子折りまでいただいてしまいました。

■サービスを受けたほうの心境
これは、人によっては「得した」と思うことなのかも知れません。
でも、私はそうではありませんでした。
私は、ただ「ネットで予約申し込みをした際に私が目にした通りのサービスが受けられるべきだ。そうでないなら、ネットの掲載情報から、私達が納得できる説明をして欲しい」と言っていただけです。例えば、私達が予約した日は繁忙期、と明確に定義されていてたならば、私達が見落としていたということですし、私は引き下がるつもりでした。
でも、結果的に、私がフロントでクレームしたことで、ネット上の掲載情報に対してちゃんと吟味・説明されることもなく、当初申し込んだのを超える(と思われる)サービスが提供されてしまったのです。
自分がフロントで見せた剣幕を思い起こすと、私はただのクレーマーで、ゴネ得をしてしまったのではないか、そういう思いが、滞在中も、家路についても、頭を離れませんでした。
そんな心境でしたので、食事も、夕食も朝食も一通り口にしたものの味わうことは出来ず、温泉に入っても、くつろいだ気分になることは、まったくありませんでした。
普段の私なら追加注文するのが当然の夕食時のビールも追加注文せず、布団に入っても「私は、クレーマーだと思われたんだろうな」との思いが頭を離れず、よく眠れませんでした。
そして、この帰宅してこの記事を書いている今でも、今回の旅行は、苦い記憶でしかありません。

■ネット予約での留意点
結局のところ、予約に際して自分達がこだわっている点については、重箱の隅をつつくくらい、事前にちゃんと確認するしかないのでしょう。
そもそも、同じ日の同じプラン名であっても、ネット予約の代理店によってほんの少し料金が異なり、サービスに関する記述も異なっていることが分かりました。
そうしたことを踏まえて、事前確認をしていないと、今回のように、せっかくの休みに、移動時間、交通費、宿泊費を払ったのが、後悔と後味の悪い思いでだけで終わってしまうことが実際にあるのですから。

今思うと、部屋に通されて、仲居さんから「食事は部屋食ではなく食事処」という説明があった時点で、クレームをしてもしなくても、どのみち私達の今回の滞在は後味の悪いものとなる運命だったのでしょうね。
事前に徹底確認をしなかった私達にも、落ち度はあったのかも知れません。
でも、ゆこゆこネットやじゃらんnetにも、上述のように記載内容の誤りや誤解を招く表現があり、それは、情報提供者である旅館側でチェックすべきことだったと思います。(本記事の公開とともに、ゆこゆこネットとじゃらんnetにも、本記事のURLを示して意見を出しておきました。)

■2007/10/10 00:35 追記
ゆこゆこネットに、表示されている情報である「朝食(部屋食)」は過去一度も提供されたことがない旨、お知らせしたところ、早速旅館に問い合わせをしたとのことで、掲載情報を訂正するとのことでした。
今、ネット上で確認したところ、夕食情報、朝食情報とも、既に修正されているようです。
修正は、ゆこゆこネットがしたようです。なかなか素早い対応ですね。
じゃらんnetにも同時に同じ情報をお知らせしておいたのですが、こちらはまだ修正されていないようです。
さらに言えば、繁忙期の定義も明確にしてもらいたいものですが、流石にそこまでは無理なのでしょうね。

■2007/10/11 00:31 追記
じゃらんnetからも回答が来ていました。
じゃらんnetの情報は、一部は宿のほうで直接編集が出来るらしく、プランの詳細に関しては、朝食の場所の記載と「繁忙期、週末等はお食事処」という記載がされていたそうです。
じゃらんnetのほうでも、繁忙期の明確な期間表示がないことは利用者にとって不適切だと認識しているとのことで、宿のほうに改善するように指導するとのことでした。
また、基本情報として部屋出しであることが宣伝されているのは、相変わらずのようです。
私達の世代にしてみれば、温泉に行けるのは週末であることがほとんどなので、週末に来るお客の視点でサービスの内容を書いて欲しいものですが... きっと、温泉宿のメインのターゲットは私達ではないのでしょう。

※この記事に追記するたびに、嫌な思い出が頭の中に浮かんで来るので、特段の事情がない限り、もう修正や追記はしないことにします。