ひぐらしのなく頃に礼 File.04 賽殺し編 其の参【感想】

TSUTAYAのDISCASでDVDをレンタルして見ています。
賽殺し編のクライマックスです。
これまでと違い、哲学的な言い回しが多用されていて、見ていて(聞いていて)、正直、ちょっと疲れますね。
反面、人生における教訓めいた科白も含まれていて、ある意味、ゲームに没頭して空想と現実との区別が曖昧になってしまいがちな人たちへの警鐘なのかなとも思えました。
3回ほど繰り返して見てしまいました。
「ひぐなく解」までで見るのをやめてしまった人も少なくないと思いますが、「ひぐなく礼」は必見だと思います。

ダムの底に沈む運命の雛見沢の世界では、圭一、レナ、沙都子、詩音の誰も罪を犯していない、理想の世界です。
梨花も、学校での居心地は確かに良くはありませんが、家には両親がいて、家族との生活は幸せそうです。
かけらを宿した母親を手に掛けてまで元の世界に戻ることを選ぶか... まさに究極の選択でしょうね。
そして、水晶を通して羽入が梨花に語り掛けた「積極的に選んだ選択と、消極的に選んだ選択とでは、その後の人生が変わって来る」と言うのも、まさにその通りで、見ているほうとしては、タイムリミットまであと1日という状況で、梨花がどちらを選ぶのか、ハラハラドキドキものでした。

が、目を覚ました梨花は、病院のベッドの上で、元の圭一や入江のいる雛見沢の世界に戻っており、交通事故に遭ってから一ヶ月近く意識が戻らないでいたとのこと。
羽入曰く、母親がオヤシロ様の生まれ変わりだった雛見沢村は、夢だとのこと。
梨花は、病室に来てくれた部活メンバー達に、もう一つの雛見沢村のことを話しますが、意外にも、レナも圭一も沙都子も、そちらの世界のほうが良いとは言いません。
これまで数々のパラレルワールドを生きて来た梨花にとっては「選択肢」であっても、レナ達には選択肢という考えはそもそもなく、自分の世界は今の世界だけで、今の世界を一生懸命生きるしかないのだと、梨花に説きます。
レナの「ありえなかった未来を想像してそれと比べるのは意味がない」という科白も、印象的でした。
そして、この経験を通して、梨花は自分が両親を敬う気持ちを失っていたことに気がつきます。梨花の祖先である羽入としては、確かに、これに気がついて欲しいという思いがあったのでしょうね。

ところで、梨花は自分のことを「ベルンカステルの魔女」と言っていましたが、これは「うみねこの鳴く頃に」でも出て来ますね。
「ベルンカステルの魔女」を卒業して、古手梨花として人生を送って終えることを、梨花と羽入は決意します。
ここまで条件が揃っていると、OVAの第4期は、どうやらなさそうですね。

第3期、まだあと一話残っていますが、「ひぐなく」シリーズはとても見応えのあるアニメでした。