獣の奏者 エリン 12【感想】

TSUTAYAのDISCASでDVDをレンタルして見ています。
「獣の奏者」もついに完結です。

大公軍の中で、ヌガンが裏切るのは、ちょっと予想外でした。
まあ、これまでのヌガンとシュガンとの確執から、何事もなく終わるとも思えなかったのですが、ああした形で、真王と大公が手を結んで行くことを真王が受け入れた時を狙って動くとは... あれで、結果的にもしもヌガンが大公になったとしても、真王とうまくやって行けたとは思えません。
そういう意味で、ヌガンの頭の中では、兄シュガンを倒すことが出来たらそれで良かったのだろうなと思います。
これも、そもそもはダミヤの入れ知恵だったのでしょう。
元々は、大公の息子たちの教育が不十分だったことに起因するのでしょうけど、ヌガンの謀反によって命を落とした大公が哀れに思えてなりませんでした。

物語のラスボスでもあるダミヤ、倒すのはキリクかと思っていましたが、やはりイアルでした。
ある意味、イアルはキリクと共闘した後で、キリクの遺志をついだ形になっていたとも言えます。
関係のない話ですが、イアルの声優鈴村健一はガンダムSEED DESTINYのシン・アスカ、ダミヤの声優は石田彰はガンダムSEED DESTINYのアスラン・ザラ、こんなところで「あんたって人はぁぁ」が成立していたと思うと、キャスティングに何らか意図があったのではと思わなくもないです。

最終巻のキーワードは、個人的には「見ていただけ?」だったと解釈しています。
元婚約者と言いながら、ソヨンが処刑された時も結局傍観していただけだった霧の民のナソン、エリンは見守っていることは傍観していただけということで、その行動が正しいとは思えないでいました。
そして、シュガンの窮地を救うため、おそらくは飛ばすつもりのなかったリランを飛ばして、シュガンを助けに行きます。
その結果、シュガンをリランに乗せ助けることには成功するものの、自分は左背に矢を受けてしまいます。
これでエリンも亡くなってしまうのかと思いましたが、リランが自分の意思でエリンを助けに戻って来たシーンには、ちょっと涙腺が緩んでしまいました。

ラストで、エリンはお母さんになっています。
子供の面影は、どことなく、イアルの子供の頃の姿に似ていたように思えました。
いわゆるハッピーエンドということなのでしょうね。

真王と大公が真の意味で共に歩むようになった世界で、霧の民がどうなって行ったのか、その描写が欲しかったなと個人的には思います。
いつか、原作の「獣の奏者」を読んでみようかと思っています。