サロゲート【感想】

ブルース・ウィルスが主演ということで、TSUTAYAのDISCASでDVDをレンタルして見ました。
冒頭でのブルース・ウィルスがあまりに若いので「そういう設定なんだ」と思って見ていたら、それはサロゲートのほうで、実体は本人相応の設定でした。

それはそうと、仮にテクノロジーが進歩したとして、こういう世界が来るのかどうか。
私は来ないと思っています。

まず、操作者が長時間横たわっている生活をしていたら、あっという間に筋肉がやせ細ってしまい、歩くことが出来なくなってしまうでしょう。
エンディングで、全世界のサロゲートが使えなくなった時、実体の人がぞろぞろと家の外に出て来ましたが、あんなことはありえないのです。
まあ、電気信号で筋肉を鍛える(そういう商品がありますね。有効かどうかは知りませんが)システムを併用していれば筋肉は維持出来るのかも知れませんが、作中、そういう設定はなかったと思います。

あと、作中、食事に関するシーンがほとんど(まったく?)なかったと思います。
もちろん、サロゲートは電気エネルギーで動くので、食事は不要なのでしょう。
実体は栄養剤だけ、サロゲートは物を口にしないとなると、人生の楽しみの一つである食事がなくなってしまいます。
食だけでなく、風や匂いといった感覚がない世界、私は嫌ですね。

最後に、「子供を危険から守るために子供用のサロゲートを...」というのがありましたが、それを望む親が本当にいるのでしょうか。
親は、子供が自分の力で何かを出来るようになる、そういった成長を日々目にしながら子育てをしています。
サロゲートが何かを出来たとしても、それは「サロゲート操作が上手になった」だけでしかありません。
もちろん、交通事故の危険(私も、子供が交通量の多い道路に飛び出してヒヤッとした経験があります)などは身近にあるのですが、そうしたことを含めて子育てをするものでしょう。
本当に交通事故で子供を失った時に、サロゲートをどう思うかは、今は絶対とは言えませんが... それでも私は子供に引き篭もらせてサロゲートを操作させることは選ばないと思います。

そんなことを思いながら見ていました。
映画の展開としてはなかなか面白いですし、アクションだけでなく、主人公トム・グリアーの内面の苦悩も上手く描かれており、一見の価値はあると思います。