牛久市の市職員の夏休み廃止は行き過ぎ

ちょっと古い記事ですが、Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - 牛久市:市職員の夏休み廃止 市長「優遇され過ぎだ」/茨城という記事が出ていました。
参議院選挙の話題に押されて、影が薄くなっていた気がしますが、この市長の行為はちょっと行き過ぎではないかと思います。

 池辺勝幸牛久市長は26日の記者会見で、市職員の夏季特別休暇(5日間)を廃止したと発表した。池辺市長は「年間20日の有給休暇があるのに公務員は優遇され過ぎだ」と話す。菊池正彦市職労委員長は「有給休暇すら消化できていない。公務員バッシングに便乗している」と反発する。総務省公務員課は「地方自治体の夏季休暇廃止は聞いたことがない」と話す。
 牛久市では、長年の慣行で7~9月に7日間の夏季休暇が認められてきた。池辺市長は04年度に5日間に削減、今年4月、組合に全廃を通告した。計4回の団交を経て今月、職員の休暇に関する市規則を改定した。
 池辺市長は元企業経営者で「超優良企業と比べても優遇だ。市財政が苦しいと言っても納税者の理解が得られない」と述べ、休暇全廃で年間約7905万円分の人件費の削減に相当する、と効果を強調する。牛久市職員は417人。
 一方、菊池委員長は「過去5年で100人近い人員が削減され、休日出勤の振り替え休暇も取れない。時短に逆行している」と反論する。全国の自治労加盟労組も616通の抗議文を送った。

私の勤務先は、超優良ではない普通の企業ですが、夏休みは年休とは別に5日間あり、有給休暇は毎年24日(入社2年目以降)付与されています。
夏休みは、基本的に必ず取れますが、有給休暇は年に10日取れたら良いほうで、平均的な人で24日中、10日以上は切り捨てられています。
社員数が100人を超える企業であれば、日本であれば、これが普通だと思います。
欧米の国で勤務していたら、有給休暇を消化し切れなかったなどと言おうものなら、目を丸くされますが。

それと比べると、牛久市の制度は、決して優遇され「過ぎ」とは言えないと思います。
他の市でも、おそらく牛久市と同じくらいではないかと思います。

さらに、市職労委員長の弁が正しいとすれば、休日出勤の代休すら取るのもままならないということですよね。
代休が取れないくらいなら、有給休暇だって、なかなか取れないのでしょう。

牛久市の台所事情は知りませんし、もしかしたら、だらだらと仕事をしている市の職員が少なくない状況で、市長が引き締めを図ったのかも知れません。
ただ、単に夏季特別休暇をなしにしても、職場で時期を調整しつつ、5日くらいの連続有給休暇の取得ができるようにするでしょうね。
代休すら取れないなら、皆、有給休暇は余っているはずですから、職員側で行使するだけの話です。
そうすると、実質、人件費の削減には何らつながりません。
むしろ、職員の士気が下がるほうが心配です。

1年後くらいに、「市長の施策は効果なし」ということになれば、市議会から市長が糾弾されることになるのでしょう。