ネットオークションの評価の値

今回は、ネットオークションの評価の値が信用できるものなのかどうかという観点で書いてみます。

結論から言うと、ある程度は信頼できるでしょうけど、必ずしもそうではない場合があるというのを、2つの論点から述べます。

まず、1点目は、あくまで相手からの主観的な評価になってしまうことです。

同じような手順でそれなりに丁寧に取り引きをしたとしても、相手によっては、「非常に良い」と評価してくれる人もいれば、「良い」と評価する人もいます。
これは、何かのアンケートで5段階で評価をする際に、特に問題点・難点がなくても、5をつける人もいれば、4をつける人もいるのと同じことです。
私自身、「今回は、とても迅速、丁寧に取り引きをしたのだから、文句を言われる筋合いは万に一つもないはずなのに」と思われる取り引きで、「非常に良い」ではなく「良い」をつけられたことがあります。あるいは、何か私に気が付かない些細なことで、十分な満足感を与えることができていなかったのかも知れませんが。

同様に、たまたま自分が忙しかったか何かで、連絡や発送・送金が少し遅れたと仮定しましょう。
私なら、「翌々日くらいなら、まあ許容範囲だろう」と感じますが、以前、ヤフー:利用者からの通報無視、不正出品オークションヤフー:ネット競売詐欺出品の被害女性に誓約書要求で書いたように、対応に2日掛かると「無視された」と全面的に他人のせいにして、新聞沙汰にするような人がいるご時世です。
そんな世界ですから、対応が1日単位で遅れた場合の評価は、「良い」「どちらでもない」「悪い」のどれにされるか、分かりません。
実際、「『急いで発送して欲しい』とお願いしたのに、対応が遅かった」とか、それに類する一方的な(あるいは些細な)理由をコメントして、「悪い」という評価がなされるのも、そう珍しくもないのです。
少なくとも、ヤフーオークション(以下、ヤフオク)では、そういう評価をされた可哀想な参加者を、私は何人も見掛けたことがあります。
こういうのは、評価の値だけでなく、コメントの内容の詳細まで見ないと、分かりません。

そして、2点目は、報復評価を怖れる気持ちが、相手に「悪い」評価をつけにくくさせていることです。

取り引き相手の中には、本当にひどいと感じる応対をする相手もいます。
酔っ払っているのが明らかな、誤変換と送り仮名のミスに満ち溢れた文面でメールを送って来る人(プロフィールには『フリーライター』と書いてありましたけど)、前回と今回とでまったく逆の要望をして来る人(しかも、お願いではなく、当然のごとく強要に近い書き方で)、私自身の200回を越える取り引きでは、実に様々な相手がいました。
そうした取引相手には、こちらからは「悪い」と評価したくもなります。
しかし、もしこちらが相手を「悪い」と評価すると、そんな人物が相手では、こちらに不手際がなくても、報復として、私に対して「悪い」か「非常に悪い」と評価をし返して来ることも容易に想像できます。

報復評価が元になった、匿名掲示板のように荒れたコメントの応酬も、ヤフオクでは珍しくはありません。
それも、ある意味、ネットオークションの文化なのだと思いますが。

そうした事態が起こり得ることを知っている人は、取り引きで多少不愉快な思いをしても、相手の行為が犯罪未満であれば、「悪い」とはせず、「どちらでもない」程度の評価で済ませてしまうものです。
義憤にかられて客観的な評価をつける人もいるでしょうけど、以前ネットオークション取引相手の評価は参考にできるかに書いたように、自分の高い評価を維持したい人は、相手を「悪い」と評価するリスクを採りません。

以上のことから、「悪い」「非常に悪い」評価がつけられるケースは、取り引きの実態と比べるとかなり少ないはずです。

以上、2つの論点から述べましたが、ネットオークションの評価は、「取り引きをこれまで何回経験してきたか」を知るバロメーターにはなると思いますが、「『悪い』評価がこれまでに一度もない」からといって、安心できる相手だとは限りません。
以上、私見ですが、ご参考まで。