最近の私の関心事は、電気代の節約で、特にパソコン周りの電気代が高いのをどうにかしようと考えて来ていました。
が、どうやら、状況認識が間違っていたようです。
これまでエコワットで測定して来た値というのは、不正確で異常に大きく表示されていて、実際の消費電力はそれよりもかなり低くて、結局のところ「電気代が高い」と気にするようなレベルではなかったということです。
エコワットは、電球のような機器であれば確かに正確に測れているのですが、パソコンの場合には正しく測れないようです。
インターネットのページや掲示板でも、そのような事例が時々紹介されているようです。
使うのなら、エコワットではなくワットチェッカーにしたほうが良いです。
本記事によって、エコワットに過剰に踊らされる人が増えないことを期待しています。
始めに、今回私が測定対象とした自作パソコンの仕様を明記しておきます。
ベースになっているのは静音パソコンを購入した時のものですが、その後、自分でパーツを多少変更しているので、現時点の仕様を再掲載しておきます。
CPU | AMD Athlon64 3200+ 2.0GHz 512KB(Cool & Quietをオン) |
---|---|
CPUファン | 峰COOLER(SCMN-1000)+風拾 超静音に交換 |
メモリ | DDR-SDRAM 512MB PC3200 JEDECを4枚セット(合計2GB) |
HDD1 | HITACHI HDP725025GLA380 250GB S-ATA2 8MB |
HDD2 | HITACHI HDT722525DLA380 250GB S-ATA2 8MB(バックアップ時にのみ利用、通常は非接続) |
MB | ASUSTEK A8N-VM CSM nVIDIA GeForce6150チップセット |
VGA | [マザーボード標準] オンボードビデオを使用 |
ドライブ1 | PIONEER DVR-111BK/MP ブラック Soft付 DVDスーパーマルチドライブ(DVD±R/RW、DVD-RAM) |
サウンド | [マザーボード標準] オンボードサウンドを使用 |
ネットワーク機器 | [マザーボード標準] オンボードLANを使用 |
ビデオキャプチャカード | I-Oデータ機器 GV-MVP/RX3 |
ケース | CoolerMaster Centurion 541 ブラック 電源無し |
電源 | CORE POWER2 CoRE-400-2007 |
ケースファン前 | AINEX FA-812A(ファンコントローラで回転数を抑制) |
ケースファン後 | なし |
吸音材 | 東京防音 シャットオンシート OS-14 |
これまで、エコワットを上記パソコンに接続して測定したところ、アイドル状態の1時間の消費電力が0.19kWhと出ていました。
つまり、ただ電源を入れておくだけで消費電力が190Wということです。
電気代計算君で1日8時間通電で換算すると、1日33円、1ヶ月で1,003円です。
実際には、さらに液晶モニタやプリンタも使いますので、パソコン関係でもっとたくさん掛かっています。
ですので、どうにかしてパソコンの消費電力を下げられないかと画策して来ました。
最近は、パソコンの電源を買い直したというのもあります。
そんな中でふと気になったのですが、そもそもパソコン本体でアイドル時に190Wも使っているというのはおかしいのではないか、ということです。
パソコンで一番電気を消費するのは、部品で言うとおそらくCPUだと思いますが、AMD Athlon64 3200+の消費電力は、仕様ではアイドル時21W、ピークで67Wです。
パソコン全体でアイドル時にその9倍以上の電力消費というのは、正直ちょっと理解しにくいです。
ネットでいろいろと調べた結果、「エコワットではパソコンの消費電力は正確には測れない」という情報をWebでいくつか見かけました。
あまりお金を掛けたくなかったので、ネットの通販でデジタルクランプメーター(販売価格900円のもの)を購入して、電流値を実際に測ってみることにしました。
以下は、測定結果の電流値(A)に電圧100(V)を掛けてW表記にしています。
クランプメータの精度は0.1A単位、ワット換算で10W単位なので、あくまでおよその値です。
交流なので、厳密には力率も考えないとならないのですが、「最近の電源は、そこそこの力率があるはず」という考えに基づいて、力率1.0を仮定しています。0.7くらいで考えるのが妥当という話もあるのですが、力率を小さくすると消費電力も小さくなり、本記事の主張である「エコワットで表示される消費電力は大き過ぎ」を不当に優位にしていると反論されるのも嫌なので、あえて力率1.0を仮定しています。
起動時のピーク | 100W |
---|---|
アイドル時 | 60W |
ハードディスク内の映像再生時 | 60W |
ビデオキャプチャ時 | 60W |
SuperΠ実行(CPU使用率100%)時 | 100W |
ハードディスク内のファイルコピー時 | 70W |
DVD映像再生時 | 70~80W |
DVD書き込み時 | 70~80W |
ハードディスク2台接続のアイドル時 | 70W |
CPUの消費電力が21W、ピーク時で67W、その差が46Wであることも、上記の実測結果にほぼ現れていますし、エコワットの測定結果よりははるかに信用できそうです。
このクランプメーターで測定した電流値を元にして電気代を計算したほうが正確でしょう。
ちょっと大目で70Wにして、電気代計算君で1日8時間通電で換算すると、1日12円、1ヶ月でたったの370円です。
もちろん、節電のエコロジー精神を否定するつもりはありませんが...
1日に20円未満の電気代を下げるために、エコワット、パソコン電源、クランプメーターを購入したことのほうが、費用的にも、物流の過程で掛かった燃料消費の面でも、結果的にはマイナスだったと思います。
要するに、「使わない時はこまめに電源を切る」という基本的な気持ちさえあれば、エコワットを買ってそれで測定した不正確な値に踊らされたり、さらに節電のための部品の買い替えで余計なものを買ったりするということはしなかったはずなのです。
本末転倒のことをしてしまったなと後悔しています。
当面、エコワットは使わないつもりです。
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・貧乏LifeなBlog: 消費電力測定 アーカイブ
RUPISU
はめまして、「RUPISUの環境志向のページ」というHPを運営しております者です。
エコワットにつきまして非常に大きく異常値が出る機種があり、その原因を突き止めましたので、参考になればとご連絡差し上げました。
よければ参考になさってください。
http://www.cwo.zaq.ne.jp/rupisu/
http://plaza.rakuten.co.jp/rupisu/
管理人
RUPISU様、コメントありがとうございます。
我が家の場合「旧型:T3T-R」を使っていましたので、直接の原因究明ではありませんでしたが、誤差が出る経緯は概ね理解できました。